ゆめうつつ

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映画版『Endless SHOCK2020』初見の感想

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映画館で『Endless SHOCK』、観てきました。

そもそもSHOCK自体見るのが初めてだったので、一体どんなものなのだろうとワクワクしていましたが、想像以上でした!

帰りのバスで書きなぐったメモをたよりに、感想を書いていきます。初見なのでいろいろ間違っていそうですが何卒ご容赦ください……!

(※なお、『』で囲んであるセリフの引用はすべてうろ覚えです)

 

 

 

 

演出について

 

ひとことで言うと「ド派手~!!」って感じでした。

 

前半だと、コウイチが屋上で歌うシーンで建物のセットがニョキニョキ上がっていくところと、リカとコウイチがスーパーカーに乗って宙に浮くところが好きです。一体どういう理由でスーパーカーが浮いているのかは謎でしたが、華やかで派手で見ごたえがありました。

 

後半では、コウイチとオーナーがステッキを持って踊る場面が好きです。コウイチが既にこの世のものではないことを悟った直後の曲にもかかわらず、コミカルで明るいダンスと歌なのが印象的でした。ジャニーさんは「悲しい時には明るい曲を」という演出をする人だったと聞いたことがあります。このシーンはそんなジャニーイズムが受け継がれているところなのかなと感じました。

 

それから、なんといっても終盤のコウイチのフライング。舞台をバックに優雅に舞う構図が、夢のように美しかったです。劇場の亡霊となったコウイチが舞っているからこそ、より非現実的で幻想的なシーンになっていました。

 

 

コウイチについて

 

コウイチという人は、リーダーシップとカリスマにあふれており、いつもよりよい舞台を作ろうと前を向いていて、感じも良くて。一見非の打ちどころのない完璧な人間に思えたのですが、全編観た後は、コウイチもひとりの人間なんだなと良い意味で感じられました。

 

コウイチは、ブロードウェイという大きな舞台に活動を移してしまうと、自分のやりたい「よりよい舞台」から離れてしまうのではないかと恐れています。また、カンパニーのみんなと自分の気持ちのズレに苛立ちや焦りを覚えます(と私は勝手に解釈しています)。

自分がみんなを引っ張らなくてはとひとりで背負い込み、周りが見えなくなっていき、その結果タツヤと衝突してしまいます。

理想が明確にあるところや、目標に向かって努力を惜しまないところ、ひとりで背負い込むところは、コウイチの良いところであると同時に、今回の事件のひとつの要因でもあります。

SHOCKのストーリーの素敵なところは、コウイチを「完全無欠で絶対正義の主人公」にしなかった点だと私は思います。コウイチをはじめ、登場人物たちは皆人間らしく個性のある人として描写されていて、そこがとても好きです。

 

後半のコウイチのセリフで、『自分がみんなに背中を見せて、さらに上を目指してもらいたいと思っていたけど、少し違ったみたいだ。みんながいてくれたから俺はショーを続けることができていたんだ』というのがありました(正確に覚えてないのでニュアンス)。考え方も個性もバラバラな人たちが、相手と向き合っていくことで各々さまざまな気付きを得て変化し、その結果として最高のショーができたというのが素敵だったなと。コウイチだけでもなく、コウイチ抜きでもなく、みんなで作りだしたことに希望を感じました。

 

あとこれは完全に余談ですが、タツヤがリカに告白しようとするシーンで、『なにこのだっせ~指輪!』などとからかっているコウイチは普通にわりとイヤな奴で面白かったです。人間らしい。

 

 

タツヤについて

 

正直私はコウイチよりもタツヤのほうに共感できてしまって、タツヤが『誰も俺に振り向いてくれない』と言うシーンでは涙がポロポロこぼれてしまいました。(私はオペラ座の怪人ではファントムが、レ・ミゼラブルではジャベールが一番好きなオタクです。)

 

タツヤは、自分が認められたいという気持ちだけでショーに出ています。舞台でも恋愛でもコウイチに敵わない劣等感や、「自分には誰も振り向いてくれない」という孤独感、そして「コウイチに追いつかなくては」という焦りがそうさせたのだと思います。

タツヤとコウイチの幼い頃のやり取り(「コウイチ遊ぼ」「そんな時間ないよ」「じゃあダンス教えて!」)を見るに、幼い頃のタツヤは、コウイチと一緒に遊びたいからとか、単純に楽しいからとか、そういう理由でダンスを練習していたのではないでしょうか。それなのにどんどんショーに立つ目的を見失っていき、最終的にはコウイチの「Show must go on」を否定するためだけに行動してしまいます。

コウイチにドロドロとした感情を持ってしまうタツヤの気持ちも、それで自分自身のことを見失って衝動的に最悪な行動をとってしまうことも、私は「わかるよ……」と思ってしまいます。『立ち止まったやつはどうなるんだよ!』とコウイチに叫んだ気持ちも痛いほどわかる。

彼の苦悩は彼だけのものだと理解はしているつもりだけれど、それでも思わず「わかるよ……」と言ってしまいます。タツヤ……。

 

タツヤに感情移入してしまうだけに、タツヤがコウイチを殺めてしまって第1部が終了したあとの絶望感はすさまじかったです。このあとタツヤが幸せになれる未来も、カンパニーが解散しない未来も全く見えなくて。そもそも、主人公が劇中半ばで死んでしまうのが文字通りショックでした。というか、死ぬのは知っていたんですが、こんなに早い段階とは思わなかったです。もっと最後の方に、舞台で真っ白に燃え尽きる感じで亡くなると予想していました。それがこんな救いのない展開だったとは……。

 

タツヤの夢の中でのシェイクスピアがこれまた凄まじく、コウイチのドスの利いた冷たい声がすんごく怖かったです。SHOCK全編通して一番見入ってしまったのがこのときのコウイチでした。コウイチが冴え冴えと美しければ美しいほど、タツヤが苦しみ怯えているのが辛かったです。

 

タツヤは、最後は亡霊となったコウイチから『お前はちゃんとショーを続けている』と認められ、コウイチともう一度ショーをすることで、前を向くことができます。タツヤのしたことは取り返しがつかないし、とてもとても重いことだと思いますが、タツヤとカンパニーのその後が明るいものであることを願ってやみません。

 

 

その他の感想

 

みんな歌がうまい!!!コウイチの主人公感、タツヤの意外と柔らかくて調和する歌声、リカの圧倒的ヒロイン感と歌唱力、そしてオーナーの抜群の安定感と存在感のある歌声! 素敵なメロディとこのキャストの歌唱力で聴きごたえ抜群でした!

 

・リカは『私はコウイチについて行く』としか言っていなくて、自分の目的があまり感じられないなと私は思ったのですが、でもコウイチが死んで亡霊になってから一番最初に現実を見たのはリカですよね。タツヤと同じくらいコウイチに固執していたリカが、コウイチ亡き後、しっかり意思を持って「Show must go on」を成そうとするのが良かったです。それと、コウイチが亡霊だと気づいた後、オーナーの服を震える手で掴む演技がとても好きです。

 

・舞台挨拶で光一さんが「寺西の演技がよかった」と言っていたので注目して見ていたのですが、たしかにすごかったです。特に、コウイチが生き返ったように見えたシーン。『笑えねえよ』というセリフ前後の、複雑そうで泣き出しそうな演技が素敵でした。

 

・一番最初、コウイチが登場した時の衝撃! 空気が変わるほどの存在感と華があって、一気にSHOCKの世界観に惹き込まれました。光一さんは若い頃から「けして身体が大きいわけではないのに舞台に立つと存在感がある」と評されていたと聞いたことがあり、なるほどこういうことかと納得しました。

 

・SHOCKを観て、『Show must go on』という言葉の素晴らしさと、それと表裏一体の狂気のようなものを感じました。私なんかは、コウイチの死ぬシーンを観て「そこまでやらなくちゃだめか!?Show must go onよりも大事なことがあるんじゃないのか!?」と感じてしまうんですが……。コウイチにとって、ショーは命を削ってでもやり遂げたいことなんだろうな。

最後にオーナーが言っていた、『ときに立ち止まりながら、振り返りながらまた一歩ふみだして進んでいく』(というニュアンスの言葉)が真理なのだと思います。

 

Show must go onを貫くには犠牲にするものも沢山あると思いますが、それをし続ける者にしか見られない景色があるのだろうとも思います。堂本光一さんはコウイチとは違うやり方で「Show must go on」を実践し続けていて、改めて凄まじい人だなと今回の映画で感じさせられました。

 

 

すっかり長くなってしまいましたが以上で初見の感想は終わります!劇場版ももう一回観たいし、過去のものも観たいし、舞台も状況が落ち着いたらいつか必ず行ってみたい!!楽しみ!!

最後になりましたが、こんな状況下でもエンタメの火を絶やさず灯しつづけてくださっている堂本光一さんをはじめカンパニーの皆様、関係者の皆様に感謝申し上げます。本当に素晴らしい作品を観させていただきました。ありがとうございました!

 

 

 

追記(2021.02.15)

昨日2回目のSHOCKに行った感想↓